多くの人々に愛されている名著、『神との対話』シリーズの中から、第二巻の内容を皆さんと共有したいと思います。
前作では、主に個人的なテーマについて「神」の視点が語られましたが、続編となる今作では、社会、政治、経済、教育など、より広範なテーマ について、深遠な対話が展開されます。
「神」の言葉は、時に私たちの 常識や固定観念を揺さぶり、新しい視点を提供してくれるはずです。
それは、私たちが自分自身の人生、そして世界に対する見方を変えるきっかけとなるかもしれません。
自己と真実
「神との対話 第2巻」の第1章では、自己と真実という、私たちの人生にとって極めて重要なテーマが深く掘り下げられます。
章の冒頭では、著者のニールが、以前から抱いていた疑問、 “人生における困難や失敗の意味” について「神」に問いかけます。
「神」は、私たちが経験する困難や失敗は、私たち自身が成長し、真実に近づくために必要なプロセス であると答えます。
そして、そのプロセスにおいて、 感情と真実 が重要な役割を果たすことを説きます。
感情の解放:ありのままの自分を表現する
「神」は、感情、特に否定的な感情であっても、表現することの重要性を説いています。
否定的な感情を内に秘めると、心身に悪影響を及ぼすため、解放することが重要です。
「表現しなさい(外に向かって放出しなさい、捨てなさい)」 と「神」は語りかけます。
それは、怒りや悲しみ、恐れといった感情を 抑圧するのではなく、認めた上で解放すること を意味します。
ただし、「神」は、感情の表現方法には注意が必要であるとも強調しています。
相手を傷つけるような方法ではなく、建設的な方法で表現するべき であると説きます。
例えば、日記に書き出したり、信頼できる人に話したり、運動や芸術を通して表現するなど、様々な方法があります。
真実を語る:自由への道
「神」は、常に真実を語ることの重要性 を強調しています。
真実を語ることは、自分自身、他人、そして世界との関係を健全にするために不可欠です。
「神」は、真実を語る五つの段階を示しています。
- 自分に、自分自身についての真実を語ること
- それから、他の人についての真実を、自分に語る
- 次に、自分についての真実を人に語る
- 誰かについての真実をその人に語る
- 最後に、すべてについての真実をみんなに語る
この五つの段階を踏むことで、私たちは 真実によって解放され、自由を得ることができるのです。
自己と向き合い、感情を解放し、真実を語ることで、私たちは自分自身の人生を創造し、より良い世界を築くことができる、というメッセージが込められています。
世界と集合意識
第2章では、個人の内面からより大きな世界へと視点が広がり、世界で起こる出来事や人類全体の集合意識について「神」の深い洞察が明かされます。
ヒトラーとホロコースト:集合意識が生み出した悲劇
著者のニールは、「神」に対して、歴史上最も残酷な出来事の一つであるヒトラーとホロコーストについて問いかけます。
「なぜ、このような悲劇が起こってしまったのか?」
「神」は、ヒトラーという人物は、単なる一人の狂人ではなく、当時の社会の集合意識が彼を生み出したのだと説明します。
当時のドイツ社会は、分離、優越、競争といった意識に支配されており、それが憎しみや暴力を生み出す土壌となっていたのです。
ヒトラーは、巧みなレトリックで人々の恐怖や不安を煽り、国民の集合意識をネガティブな方向へと導きました。
その結果、ホロコーストという人類史上最悪の悲劇が起こってしまったのです。
「神」はこの出来事を通して、集合意識が持つ計り知れない力を示すと共に、ネガティブな集合意識がいかに危険な結果をもたらすかを警告しています。
集合意識と世界平和:意識の変革が世界を変える
「神」は、世界平和を実現するためには、人類の集合意識を変革することが不可欠であると説きます。
分離や競争といった意識から、統一や協力といった意識へと転換することが求められます。
「神」は、「わたしたちは一体だ」という意識を持つことの重要性を強調します。
『人類は皆互いに繋がり一つである』という認識を持つことによって、争いや対立を克服し、真の平和を実現することができるのです。
第2章は、私たち一人ひとりが、世界を変える力を持っていることを教えてくれます。
私たちが意識を変え、愛と調和に基づいた集合意識を創造していくことによって、より良い未来を築くことができるのです。
男性性と女性性 – 神聖なるバランスの回復
この章では、男性性と女性性 という、人間存在の根幹を成す二つのエネルギーについて、「神」の視点から深く探求していきます。
現代社会において、男性性と女性性はしばしば対立的なものとして捉えられがちです。
しかし「神」は、この二つのエネルギーは本来、神聖なバランスを保ちながら存在するものであると説きます。
男性が女性を蔑むようになった理由
「神」は、男性が女性を蔑むようになった理由について、以下のように説明しています。
- 男性は、自分自身の内側にある女性性を否定し、弱さとみなす ようになった
- これは、「自分とは何者か」という真実を忘れた 結果である
本来、男性性と女性性は、どちらが優れているというものではありません。
どちらも 神聖なエネルギーであり、それぞれに異なる役割と美しさを持っています。
女性性:受容と共感のエネルギー
「神」は、女性性 を次のように表現しています。
- 風にそよぐ花のメロディーを聞き、見えないものの美しさを見る
- 生命の潮の満ち引きを感じ、力強さを受け入れる
- 走るときと休むとき、笑うときと泣くとき、つかむときと離すときを知る
女性性は、受容と共感、直感と流れに身を任せるエネルギーです。
男性性:行動と創造のエネルギー
一方、 男性性 は、行動と創造、論理と外側へ向かう力を象徴するエネルギーです。
神聖なるバランスの回復:統合と調和
「神」は、男性性と女性性の統合こそが、私たちの内側に真の調和をもたらすと説きます。
- 男性性と女性性を統合することで、私たちは 完全な存在となることができる
- それは、自分自身の中にある、両方のエネルギーを認め、尊重することから始まる
真の男性らしさとは、女性性を否定することではありません。
自分の中にある女性性を認め、受け入れることによって、男性はより深く自分自身を理解し、より大きな力を発揮することができるのです。
教育 – 新しいパラダイム
この章では、現代教育が抱える問題点と、子どもたちにより良い未来を創造するための新しい教育のあり方について、「神」の視点から考察していきます。
現代教育の問題点
「神」は、現代教育のあり方に強い懸念を抱き、以下のような問題点を指摘しています。
- 事実の詰め込みに偏重し、生きるための本質的な概念がおろそかになっている
- 子どもたちは「答えを出すこと」ばかりを教えられ、「問いかけること」の大切さを学んでいない
- 競争主義が蔓延し、他人への配慮や共感、分かち合いの精神が育まれていない
- 性に関する教育がタブー視され、子どもたちは健全なセクシャリティを育む機会を奪われている
「神」は、このような教育システムのもとでは、子どもたちは「ほんとうの自分」を発見することができず、社会全体の意識レベルの向上も望めない、と警鐘を鳴らしています。
新しい教育パラダイム
「神」は、より良い未来を創造するため、価値観に基づいた 新しい教育パラダイムを提唱しています。
それは、子どもたちが 自らの内なる力に目覚め、愛と調和に満ちた世界を創造していくための教育です。
具体的には、以下のような科目を設けることを提案しています。
- 力の理解
- 紛争の平和的な解決
- 愛情ある関係の要素
- 個性と自己創造
- 身体と精神と魂…これらはどう機能するか
- 創造性の発揮
- 自己への誇りと喜び、他者の尊重
- 喜ばしい性的表現
- 公平
- 寛容
- 多様性と類似性
- 倫理経済学
- 創造的な意識と精神力
- 認識と目覚め
- 誠実と責任
- 可視性と透視力
- 科学と霊性
これらの科目は、単なる知識の習得ではなく、「生きるための本質的な概念」を理解し、実践することを目的としています。
「神」は、新しい教育パラダイムにおいては、問いかけること、自ら答えを探すこと、そして創造することが重視されるべきだと強調しています。
親の役割
「神」は、親の役割についても言及しています。
- 子どもたちに性的な存在であることを否定せず、オープンに性について教える
- 自らの行動を通して、愛と調和、責任感、誠実さといった価値観を示す
親は、子どもたちにとって最初の、そして最も重要な教師です。
親が自らの生き方を通して、正しい価値観を示すことによって、子どもたちは自然とそれを学び、身につけていくことができます。
政治 – 真実と奉仕
この章では、「神」の視点から、政治の真の役割と、より良い社会を創造するための政治のあり方について考察していきます。
政治の堕落
現代社会において、政治はしばしば権力闘争や私利私欲の場と化してしまっています。
「神」は、このような政治の堕落について、以下のように指摘しています。
- 政治家たちは、国民への奉仕という本来の目的を忘れ、権力や名声を追い求めるようになっている。
- 政治の世界では真実が歪められ、嘘や欺瞞が横行している。
- 政治システムは複雑化し、国民の声が政治に反映されにくくなっている。
政治の真の役割
「神」は、政治の真の役割は国民への奉仕であると強調しています。
- 政治家たちは、国民の幸福を第一に考え、公正かつ誠実に職務を遂行すべきである。
- 政治は、すべての人々に平等な機会を保障し、弱者を守るためのシステムであるべきである。
- 政治は、愛と調和に基づき、社会全体の意識レベルの向上に貢献すべきである。
新しい政治パラダイム
「神」は、より良い社会を創造するため、真実と奉仕に基づいた新しい政治パラダイムを提唱しています。
- 政治家たちは、自己の利益ではなく、国民全体の利益を追求すべきである。
- 政治の世界に透明性をもたらし、国民への説明責任を果たすべきである。
- 政治システムを簡素化し、国民の声が政治に反映されやすい仕組みを作るべきである。
- 愛と共感、協力と分かち合いの精神に基づいた政治を行うべきである。
国民の責任
「神」は、より良い政治を実現するためには、国民一人ひとりの意識改革も必要であると説いています。
- 国民は、政治に関心を持ち、積極的に参加すべきである。
- 真実を見極める力を養い、嘘や欺瞞に惑わされないようにすべきである。
- 政治家たちを監視し、説明責任を求めるべきである。
「神」は、国民一人ひとりが意識を変え、行動することによって、より良い政治、ひいてはより良い社会を創造することができると教えています。
経済 – 豊かさの共有
この章では、「神」の視点から、経済の真の目的と、すべての人々が豊かさを享受できる経済システムについて探求していきます。
現代経済の問題点
「神」は、現代経済システムが抱える問題点について、以下のように指摘しています。
- 物質的な豊かさのみが追求され、精神的な豊かさが軽視されている。
- 競争と利潤追求が優先され、協力や分かち合いの精神が失われている。
- 貧富の格差が拡大し、多くの人々が貧困や飢餓に苦しんでいる。
- 地球環境が破壊され、持続可能性が脅かされている。
経済の真の目的
「神」は、経済の真の目的はすべての人々が豊かさを享受し、幸せに暮らすことであると説いています。
- 経済システムは、人々の基本的なニーズ(衣食住、医療、教育など)を満たすために存在すべきである。
- 経済活動は、地球環境に配慮し、持続可能な方法で行われるべきである。
- 経済的な豊かさだけでなく、精神的な豊かさ、心の豊かさも追求されるべきである。
新しい経済パラダイム
「神」は、すべての人々が豊かさを享受できる新しい経済パラダイムを提唱しています。
- 競争ではなく協力、利潤追求ではなく分かち合いを基盤とした経済システムを構築すべきである。
- 富と資源を公平に分配し、貧富の格差を解消すべきである。
- 地球環境を守り、持続可能な経済活動を実践すべきである。
- 経済的な豊かさだけでなく、精神的な豊かさ、心の豊かさも重視すべきである。
意識の変革
「神」は、新しい経済パラダイムを実現するためには、人々の意識を変える必要があると強調しています。
- 物質的な豊かさへの執着を手放し、心の豊かさを追求すべきである。
- 所有することよりも分かち合うこと、競争することよりも協力することの喜びを知るべきである。
- すべての人々は兄弟姉妹であり、共に支え合いながら生きていくべきである。
「神」は、人々の意識が変われば、経済システムも自ずと変化し、すべての人々が豊かさを分かち合える世界を創造することができると教えています。
宗教 – 分裂から統合へ
この章では、「神」の視点から、宗教が抱える問題点と、真の霊性について深く考察していきます。
宗教が生み出す分裂
「神」は、多くの宗教が人々を分裂させ、真の霊性から遠ざける存在になっていると指摘しています。
- 宗教はしばしば排他的であり、自分たちの教義こそが唯一絶対の真実であると主張することで、対立や紛争の種を生み出す。
- 宗教は教条主義に陥りやすく、愛や慈悲よりも規則や戒律を重視することで、人々の心を縛り付ける。
- 宗教は男性中心主義的な傾向を持ち、女性を劣った存在として扱うことで、不平等を生み出している。
真の霊性とは
「神」は、真の霊性はすべての人々を結びつけるものであり、宗教が作り出す分裂を超えたところに存在すると説いています。
- 真の霊性とは、神との一体感を感じ、すべての人々を愛し、尊重すること。
- 真の霊性とは、心の内側に光を見出し、その光を世界に照らし出すこと。
- 真の霊性とは、日常生活の中で愛と慈悲を実践し、世界をより良い場所にするために貢献すること。
宗教の変革
「神」は、宗教が自らの過ちを認め、真の霊性を取り戻すことを強く求めています。
- 宗教は排他的な姿勢を捨て、すべての人々を受け入れる包容性を身につけるべき。
- 宗教は教条主義から脱却し、愛と慈悲を中心とした教えを説くべき。
- 宗教は男性中心主義を改め、女性を平等な存在として尊重すべき。
光の使者 – 世界を照らす者たち
この章では、「神」の視点から、光の使者の役割と、私たち一人ひとりが光の使者となるために必要なことについて解説していきます。
光の使者とは
光の使者とは、「神」の光を世界に照らし出す存在であり、すべての人々を目覚めへと導く存在です。
- 光の使者は、高い意識レベルを持ち、愛と調和に満ちた人生を送っている。
- 光の使者は、周囲の人々に光を分け与え、世界をより良い場所にするために貢献している。
光の使者となるために
私たち一人ひとりが光の使者となるために、「神」は次のようなことを提言しています。
- 神との一体感を感じ、すべての人々を愛し、尊重する。
- 自らの内側に光を見出し、その光を世界に照らし出す。
- 日常生活の中で愛と慈悲を実践し、世界をより良い場所にするために貢献する。
- 真実を語り、勇気を持って行動する。
- 恐れや不安を手放し、神への信頼を深める。
「神」は、私たち一人ひとりが光の使者となることで、愛と調和に満ちた新しい世界を創造できると述べており、それは、戦争や貧困、差別のない、すべての人々が幸せに暮らせる世界のことです。
まとめ
対話を通して、「神」は私たちに、より良い世界を創造するための指針を示しています。
それは、以下のようにまとめられます。
- 愛と調和:
全ての根底には愛があり、私たちはお互いに、そして「神」と繋がっています。愛と調和に満ちた世界を創造するために、分裂や対立を乗り越える。 - 真実と誠実:
政治、経済、宗教など、あらゆる場面で、真実を語り、誠実に生きることが重要。 虚偽や欺瞞を捨て、透明性のある社会を築き上げること。 - 奉仕と分かち合い:
私たちが持つ豊かさや才能を他者のために惜しみなく分かち合う。利己的な欲望を手放し、共に支え合い、助け合う社会を創造する。 - 内なる光を輝かせる:
私たち一人ひとりの内側には、「神」の光が輝いている。 その光を信じ、世界に照らし出すことで、私たちは「光の使者」となり、世界をより良い場所にすることができる。 - 勇気と希望:
「神」は常に私たちと共にあり、私たちを導き、支えてくれています。 恐れや不安を手放し、勇気と希望を持って、新しい世界を創造していく。
このブログを読んで、詳しい内容が気になったら是非『神との対話』を読んでみてください。↓